第134章

昔は北村おじいさんも彼女を病院に連れて行って検査してもらったことがあるが、医者には何も異常が見つからず、声帯などに問題はないと言われた。

その後も複数の病院を回ったが、検査結果はどこも同じで、彼女に問題はなく、ただ話せないというだけだった。

また、幼い頃に何か恐怖体験があったかと聞かれても、彼女は何も覚えていなかった。

そのため、先天性ではないかと推測する医師もいた。

工藤先生は彼女の携帯電話に表示された文字を見て、理解したように頷いた。「先天性なら、通常は検査で問題が見つかるものだ。やはり後天性だと思うんですがが」

山田澪は瞬きをして、自分が先天性なのか後天性なのかわからないとい...

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